「どこから勉強すれば合格できるの?」──受験生から最もよく聞かれる質問です。1日30〜60分しか取れない社会人には、過去問ベースで「出るところ」に絞る学習が最適解です。
この記事で学べること
- 科目別の頻出テーマと優先度(★)
- 「捨てる範囲」の考え方と時間配分の目安
- 関係法令の数値・労働生理の語呂合わせ
まず結論
合格基準は各科目40%以上、かつ全体で60%以上です。満点は不要で、全体では4割まで失点できます。全範囲を均等にやるより、この一覧の★★★テーマから確実に押さえるのが最短です。
【科目別】頻出テーマ一覧
※出題頻度は、過去の公表問題・出題傾向をもとに筆者が整理した目安です。年度により出題傾向は変動します。本記事の頻出ランクは学習の優先順位付け参考としてご活用ください。
労働衛生|試験の最重要科目(第一種:17問)
問題数が最多で、得点に直結する科目です。有害業務のテーマは毎年高確率で出題されます。
| 頻出テーマ | 出題頻度 | ポイント |
|---|---|---|
| 有機溶剤の種類と健康影響 | ★★★(高頻度) | 第1〜3種の分類と許容濃度 |
| 局所排気装置の構造・管理 | ★★★(高頻度) | 制御風速と囲い式・外付け式の違い |
| 健康診断の種類と実施義務 | ★★★(高頻度) | 定期・特殊・雇入れ時の違い |
| 作業環境測定の方法と評価 | ★★☆(高頻度) | A・B・C測定の区別、管理区分 |
| 粉じん・騒音対策 | ★★☆(高頻度) | じん肺法、騒音障害防止規則の数値 |
| WBGT指数の考え方・暑熱環境管理 | ★★☆(高頻度) | WBGT指数の考え方/暑熱作業での管理ポイント |
| ストレスチェックの実施 | ★★☆(高頻度) | 50人以上の事業場で義務、年1回 |
| 特定化学物質の分類と管理 | ★☆☆(中頻度) | 第1〜3類の代表物質 |
※ストレスチェックは現在、常時50人以上の事業場で実施が義務づけられています。2025年の労働安全衛生法改正により、常時50人未満の事業場にも実施義務を広げることが決まっています(施行時期は今後定められます)。最新は厚生労働省の案内をご確認ください。
有害業務の覚え方は【完全攻略】労働衛生(有害業務)の覚え方で語呂とセットで解説しています。
関係法令|暗記で確実に点が取れる科目(第一種:17問)
記憶勝負の科目です。数字と定義を正確に覚えれば、安定して得点できます。
| 頻出テーマ | 出題頻度 | 覚えるべき数値・内容 |
|---|---|---|
| 衛生管理者の選任義務 | ★★★(高頻度) | 常時50人以上→選任義務、規模別の人数 |
| 産業医の選任要件 | ★★★(高頻度) | 50人以上→1人、3,000人超→2人(産業医) |
| 衛生委員会の構成と開催 | ★★★(高頻度) | 50人以上で設置、月1回以上、議事録3年保存 |
| 定期健康診断の実施義務 | ★★★(高頻度) | 年1回、対象者・省略可能な項目 |
| 作業主任者の選任 | ★★☆(高頻度) | 特定作業ごとに国家資格保有者から選任 |
| 定期自主検査の対象と頻度 | ★★☆(高頻度) | 局所排気装置:年1回など |
| 有機溶剤・特化物規則 | ★★☆(高頻度) | 掲示・容器表示・保護具の規定 |
覚えるべき数値は【一覧表】衛生管理者試験 関係法令の数値・頻出ポイントまとめに集約しています。
労働生理|出題パターンは限られる(10問)
苦手とする受験生が多い科目ですが、出題テーマは限定的です。以下に絞って対策すれば十分です。
| 頻出テーマ | 出題頻度 | ポイント |
|---|---|---|
| 血液循環(体循環・肺循環) | ★★★(高頻度) | 動脈・静脈の違い、心臓の構造 |
| 呼吸のしくみ | ★★★(高頻度) | 内呼吸・外呼吸、肺胞での交換 |
| 消化器系(消化酵素) | ★★★(高頻度) | 各栄養素を分解する酵素の名前 |
| 感覚器(眼・耳) | ★★☆(高頻度) | 視覚調整のしくみ、騒音と内耳 |
| 筋肉・神経系 | ★★☆(高頻度) | 随意筋・不随意筋、中枢・末梢神経 |
| 体温調節のしくみ | ★★☆(高頻度) | 発汗・血管拡張による放熱 |
| ストレスと疲労 | ★★☆(高頻度) | コルチゾール、全身適応症候群 |
| 睡眠のしくみ | ★☆☆(中頻度) | レム睡眠・ノンレム睡眠の違い |
よくある勘違い
✕ 全範囲を均等にやらないと不安
〇 科目足切り(各40%以上)さえ回避すれば、満点は不要。頻出テーマに時間を集中させる方が合理的です。
「捨てる範囲」と時間配分
優先度の低いテーマ(後回しでOK)
- 労働衛生:微生物・ウイルスに関する問題は優先順位を下げてもよいが、基本語句は確認しておく
- 関係法令:マイナーな特殊健診の詳細(選任基準の数値を優先)
- 労働生理:泌尿器・生殖器の詳細な機能(出題頻度は低い)
科目別の時間配分目安
| 科目 | 時間配分 | 理由 |
|---|---|---|
| 労働衛生 | 40〜50% | 問題数最多・内容が広い |
| 関係法令 | 30〜35% | 暗記量多・直前に仕上げやすい |
| 労働生理 | 20〜25% | 出題少ないが苦手な人は早めに着手 |
時期ごとの配分の考え方は【社会人必見】衛生管理者試験に最短合格する勉強法とは?もあわせてご覧ください。
暗記が苦手でも使える!語呂合わせ集
※語呂合わせは理解を補助するためのものです。制度趣旨や内容理解とあわせて学習してください。
関係法令の語呂合わせと数値の覚え方は、衛生管理者 関係法令の覚え方|語呂合わせ一覧と数値の暗記法でさらに詳しく整理しています。
関係法令の数値を覚える語呂合わせ
- 産業医は50人から選任:「五十路の産業医、いよいよ選任」
- 衛生委員会の議事録は3年保存:「委員会の記録、さんざん残す(3年残す)」
- 産業医は3,000人超で2人体制:「三千超えたら産業医2人体制」(※衛生管理者は3,000人超で6人が必要。混同に注意)
労働生理の語呂合わせ
- 糖質を分解する消化酵素:「アマいぜ」→ アミラーゼ(唾液・膵液)+マルターゼ(小腸)
- たんぱく質を分解する消化酵素:「ペプシ飲んでトリップ」→ ペプシン(胃)・トリプシン(膵液)
- 脂肪を分解する消化酵素:「脂はリパーゼ」→ リパーゼ(膵液・小腸)
- 体循環の流れ:「左から全身、右に戻る」→ 左心室→全身→右心房
労働生理は、テキストの図をスマホで撮影して通勤中に見返すだけでも記憶に定着しやすくなります。「心臓の断面図」「肺胞での酸素交換」「耳の構造図」は繰り返し見ることで自然と覚えられます。
よくある勘違い
✕ 語呂合わせを覚えれば安心
〇 語呂は入口。過去問の言い換え選択肢に対応できて完成。語呂で覚えたら、必ず過去問で使えるかを確かめましょう。
直前期にやるべき3つの確認ポイント
試験直前は「新しいことを始めない」が鉄則です。以下の3つだけに絞りましょう。
- 間違えた過去問の最終見直し:ノートや✕印をつけた問題を集中的に確認
- 数値・条文の暗記確認:選任人数の基準、健康診断の頻度など「数字」を再確認
- 出題頻度★★★テーマの1周通し:「高頻度で出題される」テーマだけを30分で見直す
確認問題
Q1. たんぱく質を分解する消化酵素を2つ挙げてください。
答えを見る
Q2. 衛生委員会の議事録は、何年間保存する必要があるでしょうか?
答えを見る
現場ワンポイント
指導現場で見てきた限り、直前期に新しい教材へ手を出した受験生ほど崩れます。最後の1週間にやるべきは、★★★テーマの1周見直しと✕印の過去問だけです。この一覧を直前期のチェックリストとして使ってください。
今日のポイント
- 合格基準は各科目40%以上+全体60%。満点主義を捨て、★★★から押さえる
- 労働衛生は有機溶剤・局所排気・健康診断、関係法令は選任基準の数値を最優先
- 語呂で覚えたら過去問で確認。直前期はこの一覧の1周見直しで仕上げる
数値の総仕上げは関係法令の数値・頻出ポイントまとめ、学習計画は衛生管理者試験 3ヶ月合格スケジュール【月別・週別プラン付き】をご覧ください。
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✍️ 筆者について
衛生管理者のトリセツ編集部は、労働安全衛生分野の実務に携わる専門家チームです。安全衛生の現場経験をもとに、受験対策から資格取得後の実務まで、正確で役立つ情報を発信しています。詳細は プロフィール をご覧ください。
⚠️ 本記事は執筆時点の法令・制度・公式情報をもとに作成しています。最新情報は厚生労働省・公益財団法人 安全衛生技術試験協会等の公式情報をご確認ください。


